右:重堂香織(じゅうどうかおり)
Stellar Girl’s College(通称SGC) 校長
左:ジョージ菜摘さん
重堂:本日は、菜摘さんにお越しいただいて、お話を聞いていこうと思います。
早速ですが、お名前と住んでいる場所と家族構成を教えてもらってもいいですか?
菜摘さん:ジョージ菜摘と申します。
アメリカ人の旦那さんとの結婚を機にボストンの近くにほぼ1年前に移住しました。その前は生まれも育ちも京都府です。家族構成は旦那さんと1歳8ヶ月の息子、現在お腹の中に妊娠5ヶ月のベビーがいます。
それから、旦那さんのご両親とお義父さんの妹さん2人と暮らしています。
重堂:なんと大所帯!ということは、8人暮らし?
菜摘さん:ですです!二世帯暮らしです。
重堂:そうだったのですね。ありがとうございます!
最初のスタートは日本(京都)を拠点とされていて、途中でアメリカにお引っ越しされるという、そんな環境が大きく変わった中で今はBUYMAのバイヤーとして活躍されてる菜摘さんですが、在宅でのお仕事歴を教えていただけますか?
菜摘さん:BUYMA=在宅歴になるので、大体1年ちょっとですね。
重堂:まだそんななんですね。ベテランかと思う違和感が、、、笑
それまでは外で働いてたいらっしゃいましたか?
菜摘さん:はい。高校卒業して約13年間飲食店、その後はキンダーガーデンのサポートを1年ぐらい、そしてレンタカーの受付、、、
重堂:人と関わる仕事をずっとしていたんですね。そんな中で在宅仕事を初められたきっかけはなんだったんですか?
菜摘さん:アメリカ移住が1番のきっかけですね。
日本だったら外で働くのも苦じゃないけれど、アメリカとなると全然違うんです。
まず第一に英語力の心配もあって。
家族とのコミュニケーションは問題な行くても、ビジネスとなると不安だったし、何より息子がまだ小さい。
デイケアに預けるという選択はあっても、こっち、めーーっちゃくちゃ高い(笑)
それのためだけに働かないと行かない状況であまり現実的でないと思ったんですよね。
今は義実家にお世話になれているけれど、私の性格上、頼り切りというのも自立してない感じがして嫌で。
で、何かしら仕事をしたいけど何をしたらいいかわからないでグルグルしていました。そんなタイミングの時にフェイスブックか何かの広告でStellar Girl’s College(通称SGC)を見つけました。
その時はBUYMAすら何なのか知らなかったけれど、漠然と考えていた「こうなりくない!」というのと、
「こうしたい!」がマッチする働き方だなと思ったので、即決でしたね。迷わず入学もしました。
重堂:ありがとうございます。意外でした!BUYMAも知らなかったのね?
菜摘さん:そうなんですよ。オンラインショッピングは馴染みがあるけど、BUYMA高いから、、、
ハイブランドとか、高いのそもそも興味ないんです(笑)
重堂:私もそっち側だからわかる笑
いろんなきっかけがあると思うけど、菜摘さんの場合は
「移住」という大きなきっかけが引き寄せた縁だったのですね。
菜摘さん:はい、ビビとw
重堂:あはは!その感覚、もう今の若い方たち知らないわよね笑
では切り替えまして、ここまでの利益推移をざっくりで良いので教えていただけますか?
郁未さん:最初は京都に住んでいたので、日本を拠点にした配送方法などでと思って初めていたんですが、もうまもなくアメリカ移住というタイミングでスタートしていたので、中途半端にどうしたらいいかなって思っていたんですね。
そこで、笠井さんと笠井タイムで話した時に相談してみたら「1回日本満喫した方がいいよ」というアドバイスをもらって、会いたい人に会うとか、食べたいもの食べておくとか(笑)
それで結局9月は休むと決めて1ヶ月お休みして、10月からアメリカに来て、パソコンの設備などを整えて本格的にスタートしました。なので推移としては、
9月0
10月0
11月に月収10万円と思っていたけれど敵わず、
12月月収10万を達成
1月は月収20万円
待ちに待った外注化で「誰かと一緒に働きたい!!」ってずっとウズウズしていました。
それもあって1〜3月は外注化に本腰を入れていたので、月収15万円台を5月ぐらいまでウロウロしていましたね。
その後、外注化が絶好調だった
6月は月収25万円
からの妊娠発覚でつわりでそれどころでなくなり、、、笑
でしたが外注化を整えつつあったおかげで利益がガクンと落ちることもなく、その後月収10〜20万円をウロウロって感じですね。
重堂:ジェットコースターのような人生ですね(笑)
利益も大切だけれど菜摘さんの場合は「ここ」というキーワードを打ってそこに向かって猪突猛進していくタイプなんですね。
笠井さんからのアドバイスも即実行して「休む」を躊躇しなかったことも良いですよね。
意外と心配が先行して「せっかく始めたのに休むなんて、、、」と思いがちだけれど、中途半端に後悔を残すのではなくて、
決める、やり抜く
という力が潜在的に長けていらっしゃるんですね。
ここまで一馬力でBUYMAを初めて早く外注化したーい!って頑張って、やっとチームとして確率できてきている今かと思いますが、バイヤーのお仕事で好きな仕事・苦手な仕事があれば教えてください。
菜摘さん:オンラインショッピング好きだからリサーチは大好きですね!それから、価格調整やお問い合わせもゲーム感覚でやってるので好きです。
価格調整は相手との駆け引きに燃えますし(笑)、お問い合わせは「どうしたらお客さんを気持ちよくさせてあげられるか」に賭けてます(笑)
苦手なのは梱包と出品ですね、、、
この2つはもう絶対やりたくない笑
基本的に私は大雑把やし、自分は良くてもお受け取りされるお客さんとの感性が違いがすごくあると思うので(笑)
出品は性格上、画面の上でもあっち行ってこっち行ってしちゃうから定まらないんですよね(笑)
重堂:たしかに、、、せっかくリサーチが決まっても出品で右往左往してしまうと結局店頭に並べられないですからね。
ご自身のことをよくわかっていらっしゃるから、はっきりしてていいですよね。
例えば「梱包」とかわかりやすいですよね。
菜摘さんの場合は日本とアメリカ両方のお客様も体験しているからなおさらかもしれないけれど、海外から日本に到着する荷物ってびっくりするような梱包で来ることもありますよね。
普段日本では例えば靴は靴の箱に入って納品されて、お客さんも箱までが製品と考えていらっしゃる方は大半だけど、海外ってどちらかというと、「商品」単体が機能していれば問題ないと考えるタイプ。
だから極端に言うと、日本は百貨店で包んでもらった品物を「商品」と捉えて、アメリカだとディスプレイのまま袋に入れなくても受け取りてが納得していれば箱がなくたって商品は商品という文化の差がある。
そんな菜摘さんは元々がアメリカタイプだったってことですね(笑)
菜摘さん:靴の汚れとか、「そんなん消しゴムでよごれ消したら全然つかえるやん!」って感じだから、お客さんの気持ちがわからないんですよね(笑)
重堂:みんなが夏美さんのようなお客さんだったらよかったのにね(笑)
中には、デパート程のクオリティを求められることもありますしね。
菜摘さん:はい、だから先手うってるんですよね。
海外の製品だから箱や付属品が欠損していたり汚れていたりって場合があるっていうことを細かく商品説明とかに記載します。
めっちゃ言い訳してます(笑)
重堂:賢い!お客さんも初めましてだと、BUYMAになれていないから靴の箱がない=偽物かみたいな思考になりがちですものね。
みんながみんなお客さんなつみさんだったらいいんですけどね(笑)
こうして自分の苦手と得意をはっきりされているのも素晴らしいことですし、なつみさんの強い部分を把握して活動しているからこその結果だったんだなと改めて感じました。
今菜摘さん、家事育児も含めるとかなりのマルチタスクで、いつ息してんの?状態ですが、仕事と家庭のバランスを上手に構築できた要因はなんだったんですか?
菜摘さん:多分、、、1番はメリハリをつけたことですね。
子供との時間、BUYMAとの時間など1日の中でも1つに集中をすること。
子供の時間は子供優先、プレイルームで一人遊びが出来ているなどの好条件の時は、スマホでできる範囲のことだけはやりますけどね。絶対負けたくない商品だけ価格調整するとかね(笑)
逆にBUYMAの時は、完全に子供が寝てる時間で集中。
それをばっちり決めて、今までの利益推移の話でもあったとおり、休む時は休む。
なので、つわりの期間はしんどかったから買い付けだけにするって決めて、今年の8月は1ヶ月間お休みしました。
このスパンは1日の中でも一緒で、例えば疲れていたら今日は昼寝すると決めて寝ます。
そうしないでスマホ見たりしちゃうと、「あれもやらなあかん」「こっちもや、、、」って結局効率悪くなるんでね。
重堂:ありがとうございます。いやこれね、出来そうで出来ないことですよね。
在宅ワークの落とし穴ってまさにこの「自分」「時間」をコントロールしなくてはならないことで、ここって自分の意思こそが司っているものじゃないですか。
そしてその自分の身体は1番の資本であるから。
エネルギーが枯渇していると、がんばるポイントが下がりますよね。
なつみさんの潜在的な力もあると思うけれど、良い意味であきらめるという選択がきちんとできているからこそのご回答ですよね。
つわりなんて想定外でしかないですしね。
菜摘さん:今回ながい!つわりが!!!笑
重堂:上のお子さんのケアもあったらこれまた想定外なことだと思うし、そういうったものが積み重なった先に当事者になったからこそ初めて気づくってことが多々あると思うんです。
例えば「お酒飲みすぎなきゃよかったー」とか、「あ、またポテチに手が、、、」とか笑
自分の良い加減のラインを知っていることと、休むと決めたことを実行できるって素晴らしいですよね。
意外と諦められないからできない。
菜摘さん:諦めが肝心やと思って生きています。
重堂:一見ネガティブなキーワードに見えますが、自分を大切にすることにつながる諦めは絶対的に必要ですよね。
そんななつみさんの周りにはいつも暖かい人が集まっている印象が多いのでお聞きしたいのですが、スタッフや家族、お客様とか、人と関わっていく中で、意識して取り組まれていることがあったら教えてください。
菜摘さん:感謝を口にすることですね。小さいことでもありがとうって伝えること。
スタッフには特に毎回のメールで文章を入れるぐらい言いまくってます。
そして褒めて褒めて褒めまくる!
重堂:あめばっか戦法ですね笑
菜摘さん:あめだけでええです(笑)
この前もスタッフから、「社会人になってからこんな褒められたの初めて」と言われまして笑
外注化って整えば、確かに自分も楽になれるけれど、その反面で作業してくれている人がいるから成り立っているということを忘れてはいけないと思いますし、うちはなんか居心地が良いなあとスタッフさんが思ってくれるチームになれば、仕事自体が楽しくなると思うんですよね。
重堂:チームとして頑張る時油ぎれだと辛いですよね。
仕事だからやることやってくれないと困っちゃうけれど、ロボットじゃない人の心在きでのお仕事だから、そこに関わる方達がハッピーでいることってとても重要ですよね。
そういった人たちの輪が出来上がっていく中で、BUYMAにおいては適材適所にスタッフさんを配置するってことも大切になってきますし、最終的にはスタッフさん自身が能動的に動いてくれることで初めて「チーム力」が発揮できると思うんです。
菜摘さん:あめを与え続けていたら結果的に能動的に仕上がりましたけどね笑
BUYMAのルールにこうやってくれるからこうしましょうか?とかスタッフさんの方から発言してくださるようになって。
神ですね。神って呼んでるんですけど^^
重堂:そう育てたのはなつみさんの技量あってこそですよね^^
物理的な距離は離れているけれど、まず心の距離を縮める努力を妥協なくされたから。
だからこそ人のついてくるリーダーになられてるんだと思いますよ^^
コミュニケーションが苦手でも、文字で感謝を伝えることはできますしね。
菜摘さん:あとわたし、自分のことも褒めますよ。モチベーション上げるために。
重堂:最高!
それが結果的にご家族の笑顔に繋がったり、スタッフさんの居心地良さに繋がったり、お客様の購入につながるわけですし、褒められて嫌な気分になる方はいらっしゃらないですしね。
「メリハリを作る」
「ありがとうを口にして、褒める言動をする」
そんな2つのキーワードを本日いただいておりますが最後に菜摘さんがお仕事をしていく上で大切にしていることを教えてください。
菜摘さん:はい、「人に頼る」ってことですね。
私実は四人兄弟の長女で、人に頼れなくて、自分でなんでもやってしまっていたんです。
社会に出て、飲食店13年やってた時にその思考がきっかけでしんどい思いもしましたし、子供が生まれた時には物理的に1人では無理!と学んで、、、そこからは人に頼ってもいいんだと学びましたね。
だからBUYMAのチームとして外注化する時も「自分の苦手と思っていることでも、誰かにとっては得意なこと」だということがとても腑に落ちて、そういうことも含めて人への頼り方がわかってきたので、これからも大切にしていきたいと思っています。
そしてもう1つは、
どうせやらなきゃいけないなら「楽しむ」
という考えで物事を捉えることですね。
実母がそういうタイプの人で「どうせなら楽しまないと損」という教育だったから、育児でも仕事でも、やらないといけないなら楽しまなあかんなと思っています。
重堂:素晴らしいですね。ありがとうございます。
仕事って色々な目的があってやると思うけど、何かしらゴールがある、ご褒美があるから楽しめるってイメージはつくと思うんです。
けれど、根本的な考え方として仕事だけでなくて「生き方」という眼鏡でそれが見られると、答えや正解のない子育てにも、自分と違う誰かとコミュニケーションをとっていく中でも必要な思考力になると思うんですよね。
育児なんて最初は喋れない相手の要求をひたすらに答え続けなくてはならない訳で、お母さんを常に求め続けていく訳だから、課題なんて終わりが見えないですものね(笑)
同じ時間過ごすなら悲観的よりポジティブに!
それを思うだけでなくて実行し続けている菜摘さんのその思考力、行動力にこそ 強さの秘密があった訳なんですね。
ちなみに四人兄弟の構成は?全員女性ですか?
菜摘さん:女男男女で、1番下の妹とは11個歳が離れてるんですよ。
だから尚更お姉ちゃんしないと!と思っていましたし、そうなっていたことの方が多かったですね・
重堂:なるほど!幼少期から先頭に経つのが当たり前の生活を送られていたんですね。
そこにお母様のそういった言動がスパイスになって、ポジティブマインドのなつみさんが出来上がったわけだ(笑)
ご家族寂しがったんじゃないですかー?アメリカに行くとなった時。
菜摘さん:それが家族もやっぱり超ポジティブで(笑)
アメリカに行くチャンスができたからラッキーだねって。
重堂:素晴らしい。本当そうなんですよね。
物事の良い面、悪い面ってどうしても後者にスポットが当たりがちだけれど、そちら側ではなくて良い面を探してみる、それを言葉に出して相手に伝える。そういったことが潜在的にできているからこそ、なつみさんの周りには暖かい方が集まっていらっしゃるんですね。
まだまだ道半ばだと思いますし、家族もこのあと賑やかになるかと思いますが、この培ってきた持ち前の明るさでこれからもどんどん前に進んでいってほしいなと思います!
ということで本日は菜摘さんにお話を伺いました。
どうもありがとうございました。
菜摘さん:ありがとうございました。